【ネット情報はあなたが見たいものしか見せない】
基本的に「ネット情報」は、その人が見たいものを、検索履歴などからシステムが自動的に選択し表示する。そのため、その人の「嗜好」がさらに短い時間に、本人の意識なしに先鋭化する。ネットをマスコミのようなものだと考えると、だから間違える。

多くの東京に勤務する人たちは、ホワイトカラーも多く、その多くが「引きこもり」を余儀なくされているだろう。そこで外部との接触は「インターネット」ということになる人も多いと思うが、その利用には、十分注意が必要だ。

【現代の指導者は無意識に「イエスマン」だけに囲まれている】
企業のトップなど、指導者たる人が、このことを知らずに「情報」を日々ネットからとる行為を、何気なくでもしていると、全く意識せずに大きな間違いをすることが十分にある。自らの思考を、逆の、あるいは別の立場から見る目が、本人には全く意識されずに失われるからだ。現代のネット情報は「マスコミ」とは違う。あくまで、個人の嗜好にあわせた情報を流すものだ。だから、より広く世の中を見る必要がある人は、自分とは違う嗜好を持った「嫌な奴」も、仲間に加えておくことだ。そして、そういう人間からくる情報も総合して、世の中を見ないと、物事の判断を間違える。

このネットの仕組が、政治などに携わる人間にも、商品などに関わる情報だけではなく、政治情報についても同じように働いている。結果として「ネット情報はその人についてのイエスマン」になっている。しかも、検索などをする個人には一切それは知らされていないから、この仕組の仕業である、ということを知ることもない。本人は無意識でも、そういう「たこつぼ」にハマるのだ。

【「イエスマン」だけでは破滅する】
身の回りに「イエスマン」ばかりを置く「責任ある人」は、道を間違え、破滅の道をたどる。これは昔から言われていることだ。

【「イエスマン」を遠ざける方法】
ネットの仕組みをよく知っているビル・ゲーツは、Microsoft社のために、同社の中に、潰れた企業の元トップを雇い入れている。自分とは違う立場の意見を多く取り入れるための、彼なりのやり方だ。イエスマンだけに囲まれた現代人は、このことをしっかりと覚えておくといい。感情にまかせて動く自分を戒めること。ネットの何気ない検索をするときでも、その情報が、いかにしてあなたの前に表示されているのか?について知ること。それができていない人は、生きてさえいけなくなる。それが現代という時代である。