ここしばらくのCOVID-19の数値を見ていて、思うことがある。ぼくは、「感染症の専門家」ではないが、様々な科学の分野の根底にある、科学の方法論はわかっているつもりだ。だから、自分の専門ではない分野のことを理解するには「数字」を使う。そして、ここ1か月くらい、COVID-19のかんたんな統計数字を追ってきた。そしてお思うことがあるのだが、他の専門の方々や、実際の感染症の専門の方々のお話を聞くと、「やはり」と思うことが多い。

【COVID-19を数字で見よう】
まず、日本全国での現状の数字を見てみよう。4月15日までの厚生労働省の統計数字を見ると、現状で日本での感染者は、日本人の1万4千人に1人が感染している。日本の交通事故で亡くなる方は約3万人に1人だから、この数字は、交通事故「死」の倍、ということになる。けっこうあちこちで感染者を見る、という段階と言っていい。

では、日本地域の全人口に対する感染後死亡者は、というと、85万人に1人。非常に少ない。「交通事故死」は前述のように3万人に1人だから、優に20倍の違いがある。つまり、COVID-19での死者は非常に少ない。「あれ?少ないんじゃない?」と思った人は鋭い。

インフルエンザと比べてみよう。2018年のインフルエンザでの死者は、3000人を超えている。現状のCOVID-19での死者は149人である(2020年4月15日の厚生労働省発表の数字による)。それにしては騒ぎが大きい感じがする。また、感染して亡くなる方は、感染者の1.6%。ドイツではこの値は2.2%である。

当然ながら、これは「現在の値」であって、将来は(考えたくはないが)これがどんどん増える、という可能性もなくはない。だから、油断できない。「手洗い・うがいの励行」「感染した方はマスク着用」は、非常に有効な感染の拡大阻止手段であることには変わりはない。

【COVID-19の一般的症状は?】
既に罹患した人は多いが、多くは治癒している。いわゆる、それぞれの体に備わった「自然治癒力」のちからである。健康というのはこういうときに力を発揮する。一般的な症状は、風邪と同じで、重篤になる場合はあって、そして、それで亡くなる方は罹患者の1.6%。ドイツのようになったとして、2.2%。多くは、回復の体力のない方である。マスコミでは「若い人でも亡くなった方がいる」というが、それは「例外」であって、一般的ではない。だからニュースになるのだが。何事にも例外というのはある。よく言う「レアケース」である。

では、特効薬はあるのか?というと「ない」。ところが、これはCOVID-19に限らず、インフルエンザでも、そうではない風邪でも、毎年ワクチンを提供されるものの、ワクチンが「当たる」ことは比較的少ない。私も医者だった親に言われたものだが「風邪には治す薬はない。薬は症状を抑えて、よく寝られるようにするもの。寝ている間に、自然治癒力で風邪を治すしかない」とよく言われた。実際、小さなころから、風邪の薬は数えるほどしかもらったことがない。そして、昔から今まで、風邪をこじらせて肺炎になり、亡くなる人はたくさんいた。つまり、COVID-19とは、実は毎年誰かがかかっている風邪の1つ、という程度のことではないのか?という疑いがある。

「感染を防ぐ」のは、インフルエンザでも基本だし、普通の風邪でもそうだ。

むしろ、大騒ぎをして、日常生活や経済の大きな停滞が起き、それが経済恐慌などにつながる、人間の心理のほうが、よほど大きな災厄ではないのか?これが、私が数字を見ていて感じた結論だ。

【PCR検査って?】
実は遺伝子検査のPCR検査はよく言われるが、やれば白黒がはっきりする、というものではない、という情報はネット上でもあちこちにある。これを見てみると、共通のことは以下だ。

  1. PCR検査は正確にやっても70%くらいの当たる確率しかない。
  2. PCR検査の結果は「陽性」「偽陽性」「偽陰性」「陰性」のレベルで表されるので「白黒はっきりする」ものではない。
  3. 通常、COVID-19であるとわかるには、まず、(1)症状を調べる、(2)PCR検査をする、(3)CTなどで肺の様子などを調べる等、体の異常を調べる、特にCOVID-19は特徴的な肺の壊れかたをする。この(1)~(3)を総合して「COVID-19に感染した」ということがはっきりわかる。
  4. PCR検査が簡易にできたとしても、当然、その結果が「当たる確率」は、低くなる。確実性が犠牲になる。

つまり、「PCR検査だけは、すべてはわからない」ということだ。また、試験をする人が感染したら検査の意味がないので、これも十分に気をつける必要がある、とのことだ。

ということは、以下の結論になるだろう。要するに「普通の風邪」のようなのだ。少なくとも、数字を見ると、そう思えるのだが。

【COVID-19の正しい怖がり方】
A. 「手洗い」「うがい」の励行は必ずするなど、ウィルス感染に気をつける。
B. 罹患したらしい、と思っても怖がらず、医者のいうことを聞こう。命に関わるような重篤になる場合は多くない。
C. 十分に栄養をとって、しっかり睡眠をとる。それが「自然治癒力」を高める。
D. 「こわいです」ばかり言って引きこもるのではなく、「怖がらせる情報」に惑わされず、少しは外で運動もして、明るく健康に過ごそう。