今も覚えてるけどさ、2003年くらいに、デジタルカメラが完成し始めたときに「一眼レフのクイックリターンミラーはなんのためにあるか」って考えて、デジタルカメラの時代には、みんなミラーレスになるよね、って言ったら、まぁ多くの「カメラ好き」の人たちにさんざん叩かれた。「そんなことになるはずがない」ってね。いまそうなってるだろ。

一眼レフカメラのクイックリターンミラーは、レンズから覗いたままを、ファインダーで見て、それをフィルムに焼き付ける、という発想からできた。「見たままを撮りたいから」ってことですね。であれば、撮像素子をフィルムの代わりにしているデジタルカメラは、撮像素子に写っているデータをそのままコピーすりゃいいざんしょ、もう光学的なものやメカ的なものは必要ないよね、と思って、その当時に「ミラーレスの時代が来るよ」って予言したわけです。いや、そういう神がかったのじゃなくて「予想」したわけです。

インターネット以前の時代にデータ通信とか商売にしていたわけですよ。その時に「みんなTCP/IPになるよ」って言ったら、粘着して散々なこと言うNovel Netware信奉者がいたんだよね。何年か経って、そいつが「ぼくもTCP/IP始めました」って言ってくるんだよ。

先を見る。先が見える、ってのは見えたそのときには、迫害されるとか、そういうことあるんだなぁ、と思うよ。だって多くの人がわからないこと言うことになるからね。そういうときに「転向」せずにいられる処世術とか強さ、ってものって、すごく必要なんですよ。

偶然だけど、そういうことを2つも経験した。面白い人生だよなぁ、と思うよ。