やっと、WHOが「緊急事態宣言」を出した、というニュースが流れているが、それぞれのニュースでは詳細な数字が出ていないなぁ、と思ったら、いろいろ配慮の末、主要な数字のみWHOはリリースに入れ、主要メディアも詳細な数字は出せない、ということだったらしい。これがそのWHOのリリースである。

このリリースにも数字はいくつかあって、特に「武漢市」「湖北省」というくくりではなく、中国というくくりで「罹患疑い:12167、罹患確定:7711、死亡した罹患者:170」と発表されている。そこで、この数字を中国の現在の人口で、どのくらいの罹患者がいるか?ということを調べると、

疑いも含めた全大陸中国での罹患者の割合:  0.00143%
大陸中国の全人口と罹患による死亡者の割合: 0.0000123%
罹患者の死亡率:              0.85548%

 という数字になる。簡単に言うと、

大陸中国の全人口の10万人に一人が罹患か罹患疑い。
大陸中国の全人口のうち、1千万人に一人が罹患後死亡。
しかし、罹患すると、100人に一人が死亡する。

ということになる。これらの数字は、分母を大陸中国にいる全人口としているが、WHOの発表した数字は「死亡者」を「罹患者」に含めているのか?など、少々はっきりしていないところもあるが、分母があまりに大きすぎ、このあたりの数字が少々変わっても、全体として動きはないだろう。

WHOの発表によれば、特に「公衆衛生などがしっかりしていない途上国が危ない」ということだ。当然、大陸中国国内の一部も含まれるだろうし、他の発展途上国も同様だ。しかし、日本はそういう意味ではまだマシなほうではあろう。とは言うものの、心配はシておく必要はある。

「確率」はある。しかし、「確率の確率」はない。つまり、あなたがそうならない保証はない。