中国・武漢市のコロナウィルスのパンデミック騒ぎ。いろいろな方面で騒ぎが大きくなっているが、現在までに発表された数字で考えてみよう。あくまで「公式に発表された数字」のみで以下の考察を行っているが、この公表された数字に何らかの誤り等があれば、当然、本稿の結論は変わるので、注意されたい。

武漢市人口           1100万人
罹患率             0.01%
罹患者の死亡率         3.18%
武漢市全体での罹患による死亡率 0.0004%

日本の交通事故死/全人口
0.003%

ということで、2020年1/27日の中国政府発表の数字で、再度計算をしてみた。

罹患率             0.013%
罹患者の死亡率         4.43%
武漢市全体での罹患による死亡率 0.00058% 

1/28の中国政府と武漢市政府発表の数字から。

罹患率             0.042%
罹患者の死亡率         2.35%
武漢市全体での罹患による死亡率 0.00097%

1/29、及び1/28夜の発表の数字が以前とは少し変わっている。
また、武漢市の情報は「湖北省」とまとめられることが多いので、以下はその数字に変更。また、大陸中国国内、及び大陸中国国外での感染や死亡の数が多く報道に載るようになった。

罹患率             0.046% (微増)
罹患者の死亡率         2.62% (微増)
武漢市全体での罹患による死亡率 0.0012%(少し増)

1/27 なるほど。一昨日と結論は同じだ。
武漢市の人がそれでも春節の買い物をやめないのはよくわかる。

1/28 罹患率が一気に4倍。しかし、罹患者の死亡率が半分。武漢市全体での本感染による死亡率が倍。おそらく、WHO幹部の訪中にあわせ、数字の修正などがあった可能性はある。つまり、1/28の数字がおそらくこれまで発表された数字で、一番信憑性が高い。あくまで個人的な見解だけれども。罹患者の認定が進んだため、罹患者の数が増え、相対的に罹患者の死亡率が減ったのだろう。武漢市全体での罹患による死亡者数は認知されていない。罹患による死者認定も進んだと見られ、数が倍増以上だが、それでも武漢市全体で見ると、かなり死亡率は低い。以前として、日本全国での交通事故死亡者の割合とは1桁の開きがあり、その罹患後死亡率は、非常に低い、という感じだ。

1/29 様々な数値が少し増えている。全体的に頭打ちになったのか?それとも、この先、さらに爆発的に罹患者や死亡者が増えるのか?この数字だけではわからない。ただし、報道機関のほとんどは「大陸中国以外」でのこれらの数値にフォーカスが移っているのがわかる。日本からのみならず、各国からの「自国民緊急帰国チャーター便」の運用が増えてきたこともあるだろう。各国の報道機関の興味はその「広がり」に移った感がある。

また、27日の時点でWHOが、それまで3日連続でパンデミック認定をしなかった、というのも上記の数字でわかる。そして28日に、「認定を変えた」。危険度はより高い、となっているが、完全なパンデミック認定とはなっていない。

ところで、かなり派手なYouTuberなどの「噂話」や「米国研究者の研究結果」などを信じるとして、その数字によれば、「罹患者40万人」という話がある。この数字を元に、現在発表されている罹患による死亡者数を同じ比として増やしてみると、だいたいではあるが、以下の数字になる。

罹患率             3.67%
罹患者の死亡率         2.5%
武漢市全体での罹患による死亡率 0.09%

この「非常に不確かな情報」をもとに考えると、わかりやすく言えば、100人の人がいたとして、4人が感染者になる。感染するとそのうち1人が死亡するかも知れない。 多く見て、100人の人がいれば、そのうち1人が罹患して死亡に至る、ということになる。

ただし、誤解のないように付け加えておくが「確率」というものはあっても「確率の確率」はない。つまり、その少ない罹患者に、あなたがならない、という保証はどこにもない。そして、罹患すると、死亡率は一千倍になるのだ。ここに恐怖がある。そして、この病で死を迎えるのは、通常の場合だと、免疫がない乳幼児や、体力が衰えている老人、ということになる。1/29日の報道では、罹患して死亡が確認された人のほとんどが、糖尿病などの疾患を持っている人とのことだ。そういう意味で、これらの数字だけ見て「安心できる」ということではない。