ぼくらがインターネットを日本に持ってきた頃って、1980年代終わりくらいなんだが、このあたりでは、時代の流れも遅く、新しいものの流行り廃りって、だいたい数年単位だったんじゃないかと思う。今はそれが数日単位くらいに速くなっていて「世の中ってものは10年位じゃ変わらない」くらいに思っている世代には明らかに「ついていけない」時代になったように思うのだ。
それが良いとか悪いとかではなく、そういう時代に変わった、というしかないが、ついていけない、と思っている人はやはり多いのはしょうがないだろう。特に、携帯電話(ガラケー)の時代から、今はスマホの時代に変わった昨今にあっては、職探しから恋人探し、飲み会から勉強、学校選びまで、全てがスマホを通したインターネットの時代に変わった。そのことをがわかっていないと「デジタル・デトックス」をしたとたんに、清々しい気分になるのではなく、なにもできない窮屈な感じが出てきたり、開放感も得られなかったりする。
あくまで結果としては、だけれども、自分はインターネットを日本に持ってきた一人だが、人生の暇つぶしは全てインターネットの中にあるか、それをきっかけとする、という時代に急激に変わった。ここまで急激に変わると、ついていけない人も多く、そういう人たちで集まりを作って、古いものにノスタルジーを感じる人も増えたが、ネット上でそういう人たちのサークルはどんどん小さくなってきて、高齢化している。しかし、高齢化も悪いことではなく、高齢化しているのに、その高齢者は非常に元気でアクティブだ。他の良い人生を送ってくれれば、と思う。
今起きている様々なことは、おそらく、そういう「旧世代」と「新世代」の急激な切り替わりに伴う「歪」の現象そのものがほとんどではないかと思う。高齢者や旧世代の人たちが、「スマホを若者から奪え」と言う。それは諸悪の根源だ、という。たしか、前のときも「ゲーム脳」とか「携帯脳」とか言うのが言われたことがあったが、実際あれは「嘘」だったこともバレてしまった後だ。
若い人間から、このコミュニケーションツールを奪っても、時代は元には戻らない。そこだけ没落していくだけだ。奪うな、やるがままに任せよ、と思う。
やがて始まるのは、旧世代の文化を抹殺する新世代の動きである。世の中の動きの、この速さについていけない人はもういなくなるだろう。
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