Enoshima

台風19号が来た。そして去った。今日は湘南の台風一過。昨晩の緊張感がいっぺんに解き放たれた、という感じも一緒になって、気分がいつもの休日とは違う。まるで、この気持ちいい風を受ける至福のときのために、昨晩の台風の命をも削る緊張感があった、という感じさえするほどの快晴と、少し強い湘南の風。小坪のマリーナはまるでサンフランシスコのマリーナ地区のような気分さえする。

とりあえず、史上最大と言われる台風の上陸地に近いこの湘南の海辺で、たいした被害もなかったのは、それだけで幸運というべきだろう。

実際、この地域が津波などに襲われたら、大きな被害があることが想定されている。いま、甚大な台風の被害であえいでいる人たちのことは、他人事ではない。それが湘南というこの地域でもある。

東京から1時間ほどのこの地域は、風光明媚で海と山が楽しめるところだが、その裏に回ってみると、自然が豊富なだけ、自然の災害もまた多かった地域でもあることが、歴史を見るとわかる。サンフランシスコのマリーナ地区はビクトリア調の多くのコンドミニアムが並び、ここに住むことは、サンフランシスコ住民の憧れだった。しかし、1989年の大地震では、この地区は長く続く火災に見舞われ、地面の液状化もあって、多大な被害を出した。

良いことと悪いことは、全くコインの裏表だ、ということが、よくわかる。良いことがあったら、気を引き締め、次なるクライシスに備える。悪いことがあったら、次の良いことの前兆だと思って、暗い洞窟を進む。