いやぁ、あちこちに「5Gデマ」が広がっています。AFPでも、それでデモが起きたときか、そういう話があったりします。「5Gは有害な電波を出す」とか言っています。

実際のところ、電波通信の原理を知っていれば「5Gの電波だから」というようなことはなく、むしろ、1Gとか2Gの時代のほうがはるかに電波が強かったのに、ということになります。

え?「電波」と「電磁波」は違うだろう、って?「電波」って「電磁波」の略だから、同じなんです。「じゃ、電磁波ってなぁに?」ということだと、ぼくら電気系の工学部の大学では「電気磁気学」ってのを習ったわけです。「電気」が流れ、その変化がある(つまり波になる)と、その周辺には「磁気」ができる。「電気」の変化に伴って「磁気」ができると、今度は「磁気」の変化に伴って「電気」が流れる。これが連続して、空中なんかを飛んでいくわけで、これが「電磁波=電波」というわけです。

つまり、思いっきり簡略化していうと「電気があるところには磁気がある」「磁気があるところには電気がある」わけです。ということは、電気で動くものがあるところって「電磁波だらけ」なわけです。テレビだろうが、PCだろうが、洗濯機だろうが、冷蔵庫だろうが、みんな同じです。

あなたが電磁波の無い生活をしたいのだったら、まず周辺からスマホもPCも、洗濯機も冷蔵庫も電卓も、電気を使うものを一切排除すると完璧です。いや、「5Gが」って、じゃ、5Gがその前の4G/LTEとどう違うのか?ご存知ですか?良い面で言えば、5Gは4Gの千倍の通信速度が出ます。悪い面を言うと、その速度が速いから、スマホの基地局とかでは、もっとスピードが速く、もっと容量の大きな設備が必要になります。お金がかかるのです。でも、それだけです。だって、テレビ放送だって、ラジオ放送だって、4Gだって、5Gだって、同じ電波(電磁波)なんですから。

ちなみに、6Gの話ももう出ていまして、こちらは電波はもう使わなくなるんじゃないか?という噂話も流れています。「わからないから、危ないかもしれない」ということで言えば、6Gはそうかもしれない。でも、わかりませんね。実際のものがわかってくるまでは。