数字とは「自然そのもの」です。そこには情や駆け引きはありません。

「1+1=2」であり、それ以外の答えは、専制君主下の王侯貴族であっても出してはいけないし、出せない。それが「自然」です。人間とその社会は自然の中で生きており、それ自身も自然の産物だから、自然の法則に従わないと、生きていけません。

そしてウィルスは「自然」でなので、人間の都合に合わせてくれません。人間が自然に合わせなければなりません。しかし、そのままでは「どうやってあわせたらいいか?」がわかりません。「自然」を知り、自らのおごりを戒め、人間自らの行動を、自然の理にかなったものにし、生活を安定させるために、人間は自然を良く知る必要が、どうしてもあります。自然の理をよりしっかりと知るための手段として「自然科学」という道具を人間が手にした。それは「数字で自然を知る」やり方です。だから、自然科学をするということは、自然を知り人の行動を戒めおごりをなくす、人の社会と自然のインターフェイスを取る役目をするということです。

自然は人間の言うことを聞いてくれませんが、人間は自然の言うことを聞かないと生きていけない。だから、人間社会の中で自然科学者でいるということは、人間社会の都合と対立することもある。「自然科学者」。それは自然界と人間界を行ったり来たりして、自然のメッセージを人のことばにして、人に伝える役目でもあります。その逆の役目は「無い」のです。

自然科学者は道具に数字を使います。それだけのことなんですよね。