経済成長が止まったこの世界に来たパンデミック。にぎやかだった世界の記憶をたどる、という面もないではない「中古市場」が非常に賑わっている。
特にPCなどのハイテクものの中古市場は、花盛り、となりそうな気配だ。いや、気配では無く、既に秋葉原のPCショップは、おそらく1/4くらいが「中古PCとスマホの街」みたいになっている。「密な空間」が避けられるから、なんとかカフェにも、もう客は来ない。中古PCショップが賑わっている。しかも、ネットでそれが買える。
おそらく、新品を高いお金をかけて買うのはダサい、という時代がやってきたのだろう。企業も大量に自社で使うPCを中古品で賄う、ということが始まっている。「なにか作る」のでは無く、これまで作ってきたものを再利用する、ということだから「中古品の再利用」はある意味「文明の貯金の取り崩し」のようなものだ。そして、その市場が賑わっている。だから「かつて何十万円したPCをジャンクで買ってきて、自分で修理すると数千円で手に入れられる」という「ジャンク再生」も趣味になる。
当然それを商売にするお店が増え「かつては20万円のPCがいまは中古で2万円」という「中古ショップ」が成り立つ。PCメーカーも「リファービッシュ品」という、メーカー自身が持つ在庫部品などを使った中古再生品を売っている。そんな時代になったのだ。
価値になるものが変わった、と言っていい。まさに、中古品市場は「都市鉱山」そのもの、と、言っていい。
「たくさん作って、たくさん売る」時代が終わった。既に、インプレスも「中古品」を「商品」としてしっかり考え始めたサイトを作っている。
かつては「新製品」の陰に日陰者として隠れていた、新たな市場が立ち上がっている。新たな「市場」として認知されつつあるのが「中古品市場」だ。
思えば、プロの市場では既に10年以上前から、工作機械や半導体製造装置などは、中古品の売買が盛んだったし、そのメンテナンスのための技術者も引っ張りだこだった。しかし、それは「裏に隠れている」仕事だったのだが、最近は違う。「中古品」が売れる。時代が変わったのだ。
発売して時間が経った中古品のノートPCなどではまず最初に電池がやられる。だから、中古品市場の立ち上がりに付随して、電池の市場も立ち上がる。そして、既にメーカーにも在庫の無い「互換部品」、多くの電力が通ってけっこう不良品になりやすいACアダプターなども、少しずつ売れ始めている。YouTubeでは「中古PC・中古スマホなどの修理動画」が増えて来ているし、そのための技術を紹介する動画も多い。
しかしね「おじさん」ブームって「人間の中古品」じゃんか、みたいな言い方でも、それが価値を持つ時代になったのかねぇ?
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